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2012-07

おやゆび相撲 #リュウ4 - 2012.07.04 Wed

 今入院中のS病院は4階建てで4階が病気の症状が重い人で、3階がそれより軽い人が入院しています。
 リュウは、4月12日に4階に入院しました。それも最初は個室でした。それから4月20日に4階の大部屋に移り、6月20日に今いる3階の二人部屋に移動になりました。
 3階に移動してから、調子があまりよくなかったように思います。
 3階は、回復病棟と言って、日常生活を送っているようなスケジュールで、一日を過ごします。
 朝は私服に着替えてからみんなが一カ所に集まり、一時間くらいかけての体操もあります。リハビリは4階でもあったのですが、作業療法、言語療法、理学療法とあり、それぞれ一日の中で決められた時間に、こなさなくてはなりません。
 あと3階では、レクリエーションみたいなものもあり、食事は食堂でみんなで食べます。
 環境が変わり、一日のうちにやることが増えたせいか、3階に移ってから、手の動きも会話も理解力も、そして食欲も今一つだったように思います。
 でも、慣れてきたら、少しずつ良くなるかな?と思っていたら、やっぱり、だんだん調子が戻ってきました。
 話す言葉も不明瞭でしたが、それでも、聞き取れる言葉が増えてきました。

 私は毎日会社が終わってから5時半くらいに病院に行き、もう食堂で食事が始まっているリュウの食事の手助けをしてから、病室に戻り、ちょっと会話をしてから帰宅します。
 昨日食事が終わり病室に戻り、私が手伝いながらベッドに横になってもらいました。
 それからリュウが、

「鼻のくだを取って欲しい、かえってあぶないから」

と、言いました。はっきりとした意思表示で鼻のくだを取って欲しいと要求するのは珍しいことだなと思いました。

「わかった、ノートに書いておくね」

と、言いました。ノートとは、先生や看護師さんリハビリの先生あてに私が作った連絡帳です。リュウのベッドサイドのテレビ台の引き出しに入れてあります。そこに私が色々なことを書いて、置いておくと、みなさんが読んで下さっているのです。私はほぼ毎日書いています。「かえってあぶない」の意味がよくわかりませんでしたが、リュウの言葉、そのまま書きました。

 それから思い立って、おやゆび相撲をしました。
 おやゆび相撲は、入院してから、私が思い出して、たまにします。

「リュウ、おやゆび相撲しよう!」

 そう言って、左手と左手を組み合わせると同時に、私がさっとリュウのおやゆびを私のおやゆびではさんで倒し、3秒くらいのすごいスピードで「いちにさんしごろくしちはちきゅうじゅっ!」と10を数えました。私は、病人だからと言って、決して手加減はしません。4階の時もそうでした。当然私が勝ちます。でも昨日は、10数える前に、リュウがさっとおやゆびを抜きます。変だな?と思い、何回やっても同じです。リュウも一生懸命勝負に挑んでいます。

(何か反応もいいし、動きも素早いし、顔の表情もいい・・・)

 私は、おやゆび相撲やっていて、嬉しくなってきました。
 病院のみなさんの努力のおかげもあるのかな?そういう風に思ったら、その私の気持ちもノートに書きます。

 でも、おやゆび相撲は、決して負けてあげたりとかはしません。勝負の世界は厳しいです。




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プロフィール

vanilla

Author:vanilla
「やさしいまなざし」は「Vanilla Web Site」の日記の部分です。

登場人物(平成28年11月現在)
 
佐藤リュウ(59歳)←夫
佐藤バニラ(永遠の20歳)←私
佐藤イブキ(社会人)←長男
佐藤ワタル(福祉施設通所)←次男

 夫佐藤リュウは、平成17年頃(48歳)より、物が二重に見える、手に力が入らない、全身が重苦しく感じる症状があり、会社勤務ができなくなりました。
 若年性のパーキンソン病の疑いとのことで、平成18年(49歳)より神経内科に通院し、平成19年にはパーキンソン病関連疾患と診断名が付きました。
 その後、平成22年 (52歳)、診断名が若年性の「進行性核上性麻痺」に変わりました。
 ずっと自宅より通院していましたが、平成24年4月に自宅外で転倒骨折し、手術入院となってしまいました。入院時、誤嚥性と思われる肺炎も併発していて、現在も入院中です。平成26年11月19日に胃瘻造設しました。
 夫が仕事ができなくなった平成17年時、上の子が小学校6年生、下の子が小学校2年生(多動と自閉で特別支援学級在籍)でした。
 私は、平成19年より、平日フルタイムで仕事しています。たくさんの方のお力をお借りし、生活しています。
 北海道在住です。

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