リュウ「お父さんスイッチ」が入った。 - 2016.11.19 Sat
受診が終わるとリュウの食事の時間。いそいで二階に上がり、リュウの食事。その時ワタルもディスペースにいたのですが、常にしゃべっている(?)ワタルの存在はどこにいても誰もがわかり、それはリュウも同じでした。
リュウの食事が終わり、少し散歩をし、ベッドに戻ろうと自分の病室に私と来た時です。
「ワタルは?」
とリュウが聞いてきました。
「さっきリュウがご飯食べたところのテレビで、ドラえもん見てるよ!」
と答えました。
「もう少し小さく・・・」
と言うので、
「音かい?テレビの?」
と聞くと「ウン」と答えます。
「まわりの人の迷惑になるから?」
「ウン」
とのこと。
「わかった、すぐにテレビの音小さくするから、安心して」
と私は言いました。
リュウはお父さんとしてワタルのこと気にかけてくれたんだ〜!と思うと、感激しました。
リュウの様子を見にきてくれたA看護師さんにも、こういうことを言ったと報告すると、「お父さんスイッチが入ったんだねぇ〜!」と感心している様子でした。
そう言えば、前回(2015年7月)もこの時間にワタルが受診し、やっぱりリュウの食事時にディスペースにいた時に、リュウのお父さんスイッチが入っていたことを思い出しました。
親はずっと子どものことを気にかける〜!

↑ディスペースでドラえもんを見るワタル。写真左。
リュウお誕生日に病院からのサプライズ! - 2016.11.17 Thu
ありがとうございます!
夕食を食べようと、ディスペースに移動し、二人並んで座っていると、今度は院長先生とMソーシャルワーカーさんが目の前に現れました。そして、「リュウさん、お誕生日おめでとうございます」と言ってくれ、ケーキの形をした帽子をリュウにかぶせてくれ、『HAPPY BIRTHDAY』と文字の飾りを私に持たせてくれたり、ケーキやバースディカードをくれたりしました。近くにいたA看護師さんがカメラを持ってくれ、院長先生やMソーシャルワーカーさんと四人の写真や、二人の写真を撮ってくれました。
その間リュウはず〜〜っと、キョトンとした感じでした。
私はびっくりし、とっても嬉しかったです!
皆さんが去った後リュウに、
「良かったね!嬉しかったね!」
と何回も言うと、
「・・イヤ・・・」
と返ってきたので、ここで私がキョトンとしました。
用意してくださったケーキも、全部じゃないけれどゴックンでき食べられました。
何だかわざわざ時間を割いてくださって、申し訳ない気持ちと、でもやっぱり嬉しい気持ちとです。
記憶に残るリュウのお誕生日サプライズ、本当にありがとうございました。

↑写真は一部加工しています。

↑かわいいケーキの乗ったお皿と、お誕生日カード。

↑ケーキの形をした帽子をかぶっているリュウ。

↑病室に飾ってあった手作りのバースディカード。
リュウ、お誕生日おめでとう~! - 2016.11.14 Mon
それから4階の談話コーナーにみんなで移動しました。
昨年のブログ記事を見てみると、移動は車イスだったんですね、でも今回は私の脇支えです。昨年のブログ記事でも傾きが右側でクッションを置いていたとのことで、それは同じですね。ただクッションは持ってきてなかったので、私が姿勢を直し直し、ケーキをいただきました。昨年のブログ記事では、ムセることなく結構食べられたとありますが、今年はこの点はかなり不安でした。最近、嚥下がよくなく、口の中でたまっていることが多いのです。
サイダーとカフェオレを買っていき、サイダーを勧め、慎重に私が口に運ぶとごっくんと飲めました!よかったと思いながら、今度はケーキをスプーンで運んであげると、ゆっくり咀嚼して飲み込めました!よかったです。その後も、サイダーとケーキを食べられました。
リュウは子どもたちの顔も見ているようでした。ワタルが早口で話しかけます。
ワタル「お父さん!ワタルは4月から福祉施設で作業をしていて、もらったお金で、本屋さんでAKB48とか載っている雑誌を買っています!」←というようなことを言っていまいした。
私「リュウ、お誕生日おめでとう~!59歳だね」
イブキ、ワタル「お父さん、お誕生日おめでとう~!」
リュウ「ウン」

↑お兄さん、お義姉さん、可愛いお誕生日のケーキありがとうございます。
病院のみなさんもありがとうございます。
関東圏のある大学病院で三剤療法が特定診療実施許可に。 - 2016.11.13 Sun
関東圏のある大学病院で三剤療法が特定診療実施許可になり、取り組んで下さることになりました。そこに至るまでには、この療法が症状の改善を見出すことが認められたとのことです。
大学病院での取り組み、H医師はとても喜んでいて、私も嬉しいです。
その大学病院の受診を希望する方はメール下さい。
また、三剤療法は根本治療ではなく、対症療法ですので、そのことは間違えないで下さいね。症状の進行を遅らせたり、ちょっとでも改善させたりするもので、病気が治るということではありません。進行性核上性麻痺は難病指定であり、今現在「治療法も薬もない」病気です。薬を出して下さること自体、病院側に取ってはリスクも覚悟のことで、三剤療法という治療法に積極的に取り組んで下さるのは、本当に嬉しいです。また何かH医師経由で情報がありましたら、お知らせします。

笹船。 - 2016.11.07 Mon
小さい頃、笹の葉で船を作り、小川に浮かべて遊んだ記憶があるなぁ〜。あれ、でもイブキやワタルってこれが何かわからないかな???
そう思って、お皿に乗せた笹舟を持って行き、二人にこれが何かわかる?と聞くと、
ワタル「野菜・・・?」と食べる物と思ったよう。お皿に乗ってたから?
イブキ「・・・?ふね?」との答え。
「イブキ!正解!見てみて!この舟を広げると、笹の葉になるんだよ!お母さんは子どもの頃、これを川に流して遊んだんだよ」
そう言うと、へぇ〜という顔をしていましたが、それと同時に、自分がすごい年寄りになった気がしました。

↑「これなんだ?」と私。

↑サンマ用のお皿なので、30センチ弱あります。笹の葉も約30センチ。大きい!
ハロウィンのムース。 - 2016.11.07 Mon


↑テレビ横のハロウィンの飾り。かわいいです。

↑リュウがソファーに座ると正面に見えるハロウィンの飾り。上の三枚いずれも11月1日撮影。

↑11月3日撮影。今年の札幌の初雪は10月20日でいつもより早かったそう。その雪は積もることもなかったのですが、その後の雪らしい雪が11月3日に。

↑テレビ横のハロウィンの飾りが秋っぽいものに。11月3日撮影。

↑リュウがソファーに座ると正面に見えるハロウィンの飾りも紅葉やどんぐりに。11月3日撮影。私がこの変化に気づいてソファーに座っているリュウに、「見て見て!ハロウィンの飾りから、もみじの葉っぱになったよ!」とこの飾りの横に立って私が言うと、顔を上げて見てくれ、「ウン」とうなづいてくれました。嬉しかったです。
今国会で採決されるTPPで国民皆保険制度があってないものにある??? - 2016.11.02 Wed
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2015年5月3日北海道新聞朝刊「はなし抄」外交評論家孫崎享さん(3月22日、札幌市中央区で開かれた「TPPから命と暮らしを守ろう!北海道緊急大集会」基調講演より)
環太平洋連携協定(TPP)で最も危惧しなくてはならないのは、「国の主権」がなくなるということです。「いくらなんでも誇張じゃないか」と言う人もいますが、TPPに盛り込まれる「ISDS条項」(投資先の国の政策変更で損害を被った企業が相手国を訴えることができる内容)は本当に危ない。この条項によって、どのような問題が日本に降りかかる恐れがあるのでしょうか。まず例を挙げて考えてみたいと思います。
ある国の政府が(他国の)企業に廃棄物処理の許可を与えたとします。そこ(廃棄物処理施設)から出た有害物質で、飲料水に汚染が生じ、病人も発生した。その結果、地方自治体がこの施設の営業を差し止めました。地方自治体による措置は、ISDS条項と照らすとどうなるのか。すでに条項のある北米自由貿易協定(NAFTA)での実際の事例をみれば、回答は出てきます。
この企業は「営業を停止させられ、『間接的に(施設を)収用された』と同じ」として国際仲裁裁判所に提訴し、その結果、政府が多額の賠償金を支払うことになりました。みなさんが正しいと思うような行政を行ったら、「罰金」を命じられたのです。この裁判所は国会決議より、行政より、最高裁判決よりも上に位置します。国の主権は薄らいでしまいます。
ISDS条項はもともと西側諸国にとって法律体系が必ずしも十分でない中央アジアなどで(西側企業が)投資した際に、思わぬ被害を受けても救済できるよう設けられました。ところが大企業や多国籍企業は法律が整備されている国に対しても条項を適用させ、自分たちの主張を貫けるようにしようと考えました。
日本はこれまで、日米包括経済協議など米国とのさまざまな交渉を行ってきました。それは独占禁止法の改正、大規模小売店舗法の緩和、健康保険の本人3割負担などに結びつきました。しかし、これらは米国の圧力があったとしても、日本が自ら決めたこと。もし問題があれば、法律を改正すれば元に戻すことができます。しかし、ISDS条項があると、自国の判断ではなく、仲裁裁判所の判決によって日本は社会が変えられていくのです。
農業ばかりに目が行きがちなTPPですが、日本国民全員に関係してくるのです。特に医療への心配は大きい。私たちは病気になった際、「お金がないから医者にかかるのはやめよう」と思ったことがどれだけあるでしょう。(国民皆保険制度のない)米国では医療費を気にして医療機関を受診しない人がたくさんいます。TPPが締結されれば、日本でもこのような状況がおこるかもしれません。農業よりも、はるかに深刻な問題を抱えているのです。
日本国民のほとんどは「私は中流階級」と言ってきました。そんな社会を今、なぜ捨てなくてはいけないのか。地方や農村、労働者、貧しい人々を切り捨てることをこれまでの日本はしなかった。それが自民党であり、彼らも誇りだったはずです。米国は「自分さえ繁栄していればいい」という社会になっています。だから、夜中に歩けないような場所もある。誰かを切り捨てる形で社会を構成していっても、私たちの望む繁栄とはならないのです。
今、日本は大変な曲がり角に来ています。TPPに参加すれば、かつての日本の姿は消えてしまうでしょう。10%の富んだ人と、残り90%の貧困層に分かれていきます。日本国民は自ら立ち上がってTPPに反対しなくてはいけない。しかし、そうなっていない今、やはり組織化されている農業関係者のみなさんに頑張ってもらわないといけません。みなさんが先導役となり、反対運動が広がることを期待しています。
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IWJ Independennt Web Journalのページより抜粋。
記事公開日2016.10.27
ISD条項とは、「その国の生活や文化、富を守るための規制や措置によって、外国企業が『本来得るはずだった利益を得られない』と判断した時に、膨大な賠償金を請求することができる」というものだ。
例えば、重篤な副反応が報告されている子宮頸がんワクチンについて、厚労省は現在、「積極的勧奨」を「控えて」いる。この措置もTPPの下では、「ワクチンの健康被害が科学的立証されたわけではない」のに、「予防原則に則って」勧奨を控えるというのは、「不当だ」と外国の製薬企業がISDで訴える可能性がある。
このISDでの訴えを「仲裁」するのは、当事国の裁判所ではなく、米ワシントンの世界銀行内にある「仲裁センター」であり、3人の「仲裁人」だ。この「仲裁人」は、「投資仲裁ムラ」とも言うべきごく少数の弁護士から選出される。
三雲弁護士によれば、この「投資仲裁ムラ」の最大の関心事は、「公共の利益」ではなく、自分たちの食い扶持である「仲裁ビジネス」の繁栄と継続にあるという。
つまり、彼らにとってはISD条項の「利用者」である大企業に勝たせ続けることが重要であり、また例えば、「ここで米国を負けさせると米国民の世論が沸騰して、反ISDの動きにつながりかねない」という局面では、過去の判例などは全く無視して米国に勝たせることが重要となる。
ISDは、こうした「恣意的」で「その場限り」の判断ができる仕組みとなっており、その判断のいかなる結果に対しても、責任を負わなくて済むようになっているという。
日本を含め、各国の独立した司法主権は空洞化され、司法を通じた公正や正義や弱者の救済の実現が危うくなる。グローバルな資本力を持つ強者の言い分だけが通るように、司法が捻じ曲げられてゆくのだ。こうなってしまったら、民主主義だけでなく、法治主義も終りを迎えてしまう。
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報道ステーションサンデーで堤未果さんがTPP参加で、日本の医療制度、皆保険制度がどうなっていくのか、伝えています。
2013年放送。
リンク先のページより抜粋。
堤未果「あの、すごく変わる可能性は高いです。で、もちろん皆保険制度自体は交渉のテーブルには載ってないです。それはあの、本当の事を言ってると思うんですけども。ただですね、交渉参加国11カ国の中で、製薬に関してはアメリカが8割なんですね。ですから非常にこう……力が強いこと。
それから知的財産所有権、について、これを保護を強化する、ということをずうっと交渉の中でアメリカは主張してるんです。
で、 それはどういうことかといいますと。例えば薬の特許権を延長する。そうなるとなかなか安いジェネリック薬が作れなくなったりとか。それから新薬の承認過程をもっと迅速化するとか。もっとこう新薬というのは高いわけですね。それがもっともっと入ってくる、ということになります。
それからもう1つはですね。TPPは日本は関税の話ばっかりされてますけれども。実はメインは非関税障壁、ですから、ここにサービス、医療、投資、っていうのが入ってきます。でそうなってくると、薬の値が、薬価がまず高騰しますし、それから医療保険もアメリカの会社がまあどんどん参入してくる。
そうなったときに結果的に、薬価があがった場合に、国民皆保険を残していたとしても、皆保険でカバーしきれなくなりますよね。
結局全部国庫で負担するのか、って話になるとそれは無理ですから。多分こう自発的に日本国内から、もう皆保険が維持できないから混合診療にしてくれと、そういう形で段階的に、混合診療が解禁されてく。」
長野「結果的に皆保険制度が崩れてく可能性もあるという」
堤未果「皆保険制度は残るかもしれないんですが。皆保険でカバーできる薬が、どんどん、あの…自費…自己負担のほうが儲かるので、そっちに製薬会社もいれますよね。そうすると、お医者さんに行くたんびに、じゃあ薬はバージョンアップしましたけど、もう皆保険きかないから、じゃああの、これ、今度自己負担になります、ってことが段階的にこっちが増えてくわけですね。それで形骸化するっていうのが一番、大きいと思います。」

↑2015年5月3日北海道新聞朝刊「はなし抄」外交評論家孫崎享さん