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2020-07

リュウとふたりで旅行に行きます。その1 #リュウ58 - 2013.05.11 Sat

 北海道新聞の生活面「いずみ」に私の投稿が載る日はまだかまだかと、新聞をひろげ、かたわらでサインの練習をしていたある4月のすえの日、ひとつの新聞記事のタイトルが目に入りました。

「療養中の旅する夢支えます」「医師も同行ツアー企画」

 私はそれを見て、サインを練習する手も自然と止まり、記事を読み始めました。体調に不安がある患者の人でも行ける旅行を紹介する内容です。
 ツアーを企画したのは、北海道恵庭の看護師江口優子さんで、添乗員の資格も持ち、旅行の付き添い看護を主に行なう事業所「アロハ オラ」の設立者です。
 その江口優子さんが付き添い看護をし、旅にはお医者さんも同行するというものです。
 お医者さんは、九州福岡の「空飛ぶドクター」坂本泰樹先生。坂本泰樹先生は、高齢者の方や末期がんの患者さんの旅行添乗をするお医者さんです。

 え!そんなのあるの!それにそんなこと考えてくれる人もいるの!それだったら、いまのリュウで行けないかな!

 そう思いました。
 でも行き先は、道外の三重県伊勢神宮、和歌山県熊野古道などで、それも往復飛行機です。
 平日なので私の仕事もあるし、ワタルの学校もあるし、それに、主治医の承諾もいるし、それからそれから、リュウのからだの状態で参加できるんだろうか、とあれこれ考え始めました。
 でも行きたい!リュウと二人で旅行なんて、新婚旅行でバンコクに行って、それから子どもが産まれる前に、車にテント積んで東北旅行した約20年前ぶりです。それも、進行性核上性麻痺という病気になって、入院中で、飛行機に乗って旅行に行くなんて、考えてもみなかったことです。

 私はイブキとワタルに、「イブキは高校の修学旅行で沖縄行って、お母さんが行きたいちゅら海水族館見てきたよね?ワタルは、高校の修学旅行で飛行機に乗って、ディズニーランドに行くよね?お母さんもお父さんと二人で飛行機に乗って旅行に行きたい!」と訴えました。

 さあ、色々なところに確認や手配が必要です。リュウには、がっかりさせないために行けるめどが付いたら伝えようと思いました。

 まずは、リュウが参加できるかどうかの電話を新聞を見た4月末、江口優子さんにしました。

「もしもし新聞で、えぇ、それでいま進行性核上性麻痺で入院中の夫は旅行に参加できますか?私が付き添って。えぇ、車イスでの移動になります。歩けることは歩けますが、歩行は危険です」

「大丈夫です」

と江口優子さん。

「え!大丈夫?食事なんですが、今は、刻み食で」

「ホテルも出先の食事もすべて刻み食対応できます」

「え!そうなんですか!」

 カロリーや塩分の制限の食事や胃ろうの方も対応しているとのこと。

「飛行機なんですけど、乗り降りが心配。あと飛行機のトイレはとても狭いから、乗る前に空港の身障者用トイレに寄ってから乗ります」

「飛行機は車イスに乗ったまま機内に入れます。そこから座席に移動していただきます。飛行機のトイレは、車イスのまま中に入れます」

「え!トイレに車イスのまま?」

「はい、飛行機によっては車イス対応のものがあり、そのタイプの飛行機に乗ります」

「そうなんですか!」

「バニラ様、まずは主治医の承諾が必要です」

 そう言われ、電話を切りました。
 その日、プリントアウトしたツアーパンフレットを病院に持って行き、看護師長さんに相談しました。

「こういうのに参加したいのですが、主治医の許可が必要で」

「伊勢詣?お医者さんも一緒に?まあ!こういうのがあるの?行けるといいですね。リュウさんも喜ぶわぁ。うん、今のリュウさんなら大丈夫そうですね。でも、気を付けなくてはいけないことありますから、先生と私でちょっと考えてみます」

 そうして次の日のことです。

「あ、バニラさん、M先生がご主人のA○○でよければいいということですよ」

 そう看護師長さんが私に言いました。

 A○○?Aから始まる医療用語で私が知っているのは、AED。「リュウが持っている自動体外式除細動器でよければいい?」と主治医が?

 そんなこと言うはずないと私は思いました。それにリュウは、自動体外式除細動器は所持していないのです。
 看護師長さんは、あえてそのまま先生が言った言葉を私に伝えているという感じでした。その言葉は聞き覚えなくて、質問しようかと思いましたが、何となく意味がわかり、はいと言いました。

 A○○とは、日常生活動作をあらわす英語の頭文字で、ADLです。ご飯を食べたり、椅子から立ったり座ったり、歩いたり階段を上ったりの日常生活を送るための身体機能の状態、あと、認知症状等で会話がどれくらいできるとかの精神的な面での状態をあらわす言葉です。
 それは、江口優子さんに、いまこういう状態であると伝え大丈夫とのことだったので、主治医から承諾を得たかたちになりました。

 やったー!


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プロフィール

vanilla

Author:vanilla
「やさしいまなざし」は「Vanilla Web Site」の日記の部分です。

登場人物(平成28年11月現在)
 
佐藤リュウ(59歳)←夫
佐藤バニラ(永遠の20歳)←私
佐藤イブキ(社会人)←長男
佐藤ワタル(福祉施設通所)←次男

 夫佐藤リュウは、平成17年頃(48歳)より、物が二重に見える、手に力が入らない、全身が重苦しく感じる症状があり、会社勤務ができなくなりました。
 若年性のパーキンソン病の疑いとのことで、平成18年(49歳)より神経内科に通院し、平成19年にはパーキンソン病関連疾患と診断名が付きました。
 その後、平成22年 (52歳)、診断名が若年性の「進行性核上性麻痺」に変わりました。
 ずっと自宅より通院していましたが、平成24年4月に自宅外で転倒骨折し、手術入院となってしまいました。入院時、誤嚥性と思われる肺炎も併発していて、現在も入院中です。平成26年11月19日に胃瘻造設しました。
 夫が仕事ができなくなった平成17年時、上の子が小学校6年生、下の子が小学校2年生(多動と自閉で特別支援学級在籍)でした。
 私は、平成19年より、平日フルタイムで仕事しています。たくさんの方のお力をお借りし、生活しています。
 北海道在住です。

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