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2018-06

明日転院します #リュウ12 - 2012.07.16 Mon

 S病院の3階での食事の際の食堂のテーブルは、大きい一つのテーブルで、そこにぐるっと患者さんが囲みます。
 そのまわりを看護師さんや付き添いの家族の方が食事の手助けをするので、結構にぎやかです。
 私は仕事が終わってから、毎日リュウの夕食の手助けに行っていました。
 私が行く頃には、もう食事が始まっています。
 毎日行くので、患者さんも付き添いの家族の方も、顔見知りになってきました。

「ホラ!奥さん来たよ〜!よかったね〜!」

と女性の患者さん。私が行くと、いつも大声でリュウに教えてくれます。
 年配の患者さんCさんの奥さんと思われる女性も毎日のように、旦那さんの食事の手助けに来ていました。
 ある日、Cさんの奥さんが、その大きなテーブル越しに私に向かって、

「あんた毎日、親孝行だね〜!」

と言いました。私は、

「ハイ」

と言いましたが、リュウは父ではなく、夫なので、私を娘と間違っているんだなと思いました。
 リュウと私はちょっと歳が離れていて、今までも医療関係の人や福祉関係の人に、「お嫁さん」「娘さん」と呼ばれることがたまにあったので、慣れています。
 リュウより年上に見られた場合だけ本当のことを言おうと思っていて、特に否定もしませんでした。
 そのCさんの奥さんが私のすぐ後ろにあった台所に寄りたいらしく、向かいから歩いてきました。そして、私にまた何か話しかけて来たので、間近で対面すると、

「あっ!」

と目を大きくして言い、そしてすぐ、

「あんた!この人はご主人かい?」

と大きな声で言ってきました。
 私は、遠目だと「娘」で、間近だと「奥さん」って、それってどういうことだろうとぼんやり考えながら、「ハイそうです」と答えました。

「そっかい、お父さんだと思っていたら、旦那さんかい?まあ、大変だねぇ〜!うちもね、主人なんだけどね」

と年配のCさんの奥さんは、色々なことをしゃべりはじめ、最後は「まぁお互いがんばりましょうね!」と言いました。

もう一人、年配の患者さんの奥さんが、やはり、毎日のように旦那さんの夕食の手助けに来ていていました。

 リュウのM病院への転院が決まった最後の夕食のあと、私はCさんの奥さんに「明日転院します」と告げました。Cさんの奥さんは、ちょっと驚きながら、

「あ〜そうかい火曜日?うちも木曜日にK市のJ病院に転院するの。どこに転院するの?そうかいそうかい、K市のAスーパーで娘と買い物してるから、会ったら声かけてね!くれぐれもお大事にね」

と言ってくれました。

 そして、もう一人の年配の患者さんの奥さんにも挨拶しました。顔見知りですが、会話するのは初めてです。すると、

「娘さんかい?」

と質問系で聞いてきたので、この時は「違う」と言いました。それからまた、お互いに話しをし、最後は「お大事に」と別れました。

 私は、「明日転院します」と、素直に口から出てくる相手は、やはり、自分と同じ立場の人に何だなと思いました。




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プロフィール

vanilla

Author:vanilla
「やさしいまなざし」は「Vanilla Web Site」の日記の部分です。

登場人物(平成28年11月現在)
 
佐藤リュウ(59歳)←夫
佐藤バニラ(永遠の20歳)←私
佐藤イブキ(社会人)←長男
佐藤ワタル(福祉施設通所)←次男

 夫佐藤リュウは、平成17年頃(48歳)より、物が二重に見える、手に力が入らない、全身が重苦しく感じる症状があり、会社勤務ができなくなりました。
 若年性のパーキンソン病の疑いとのことで、平成18年(49歳)より神経内科に通院し、平成19年にはパーキンソン病関連疾患と診断名が付きました。
 その後、平成22年 (52歳)、診断名が若年性の「進行性核上性麻痺」に変わりました。
 ずっと自宅より通院していましたが、平成24年4月に自宅外で転倒骨折し、手術入院となってしまいました。入院時、誤嚥性と思われる肺炎も併発していて、現在も入院中です。平成26年11月19日に胃瘻造設しました。
 夫が仕事ができなくなった平成17年時、上の子が小学校6年生、下の子が小学校2年生(多動と自閉で特別支援学級在籍)でした。
 私は、平成19年より、平日フルタイムで仕事しています。たくさんの方のお力をお借りし、生活しています。
 北海道在住です。

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