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2020-04

夫、佐藤リュウの進行性核上性麻痺の発症と治療の流れと福祉制度。その1。 - 2014.07.17 Thu

(このブログ記事は2014年7月に書きましたが、リンク先が変わったりしていますので、2015年10月に更新しました。)
(また2017年9月に医療講演があり、進行性核上性麻痺の治験や三剤療法を含む配布資料をS医師の了解を得て公開しましたので、そのリンク先も文中に追加しました。)
(このブログのトップページはここをクリックしてください。)

*************

こんにちは。
初めてメールします。4月に父がPSPの診断を受けました。
今は効くかどうかわからない薬を飲み、リハビリを頑張っています。
この病気のことを知るのが怖くて、ネットで検索するまでにも
時間がかかりました。
最近になっていろいな患者さんがブログを書いておられることや
のぞみの会があること知りました。

3剤療法やグルタチオン点滴についてお聞かせいただけないでしょうか。
お忙しいとは思いますが、とうぞよろしくお願いします。

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 7月11日にMさんよりメールいただきました。またのぞみの会の方にも、新しい方が入会が続いているので、何かの参考になればと思い、夫の発症からの治療の様子をまとめてみます。

 夫佐藤リュウは、平成17年頃(48歳)より、物が二重に見える、手に力が入らない、全身が重苦しく感じる症状があり、会社勤務ができなくなりました。
 若年性のパーキンソン病の疑いとのことで、平成18年(49歳)より神経内科に通院し、平成19年にはパーキンソン病関連疾患と診断名が付きました。
 その後、平成22年 (52歳)、診断名が若年性の「進行性核上性麻痺」に変わりました。
 ずっと自宅より通院していましたが、平成24年4月に自宅外で転倒骨折し、手術入院となってしまいました。入院時、誤嚥性と思われる肺炎も併発していて、現在も入院中です。平成26年11月19日に胃瘻造設しました。
 夫が仕事ができなくなった平成17年時、上の子が小学校6年生、下の子が小学校2年生(多動と自閉で特別支援学級在籍)でした。
 私は、平成19年より、平日フルタイムで仕事しています。たくさんの方のお力をお借りし、生活しています。
 北海道在住です。


 上記は「やさしいまなざし」のパソコン表示のやさしいまなざし説明部分(左側下の方)です。

 最初に変だな?と思った症状ですが、「物が二重に見える」「夜中にびっくりするくらいの大声の寝言を言う」(レム睡眠行動障害)「便秘ではなかったのが、ある時から便秘体質になる」(自律神経症状)ということです。上記説明文のもっと前の症状です。これらの症状からも後に私は、「レビー小体型認知症?」と思いました。
 初期の症状の次に、「疲れやすい」「全身が重たく感じる」「手の動きが悪く、箸が使いづらい、ヒモが結びづらい、ボタンもはめづらい、字も書きづらく字が小さくなる、印鑑が押せない」等。進行性核上性麻痺の症状に「転倒しやすい」とあるのですが、夫は転倒はそれほど心配なく、足ではなく手に症状が出ているように思いました。
 その後「表情が乏しくやる気が感じられない」「日中眠ってばかり」「手足首のまわりなどが急に硬くなることがある」「手足が冷たい」「立ち上がるとめまいがする」「言葉がなかなか出て来ない」「声が小さい」等。
 そうしていたら今度は認知症状が出てくるようになってきました。
 
 上記症状の改善のため、神経内科に通院、そこでH医師から三剤療法の治療を受けました。H医師の受診は平成18年です(神経内科受診のきっかけですが、最初は何の病気がわからないでいて、ある日ものが飲み込みづらいと言い、耳鼻咽喉科受診の際、神経内科へのお手紙をいただいたことがきっかけです)。
 「三剤療法」の治療をしてくれるお医者さんは日本で今現在数人しかいません。H医師が三剤療法で治療してくれていたことは最近知りました。家から近い病院ということもあり通っていたのです。幸運でした。
 H医師は、患者さんの進行がゆっくりだと実感していて、データも取り学会の論文にも挑戦しているのですが、なかなか通らず、他のお医者さんに伝わりません。私も夫の進行はゆっくりだなぁと途中から思うようになりました。三剤療法のみは平成18年から平成25年までで(その後は三剤療法プラスコウノメソッド)、7年間は保険薬のみの三剤療法でした。H医師は初期の時からこの三剤療法を受けられることをすすめています。
 夫は初期からH医師に受診することができ、「治療法も薬もない」とは言われたことがなく、感謝しています。

(このブログ記事は2014年7月に書きました。その後、H医師の論文(三人のお医者さんの連名になっています)が「日本早期認知症学会誌Vol.8 No1 2015」に掲載されました。論文のタイトルは『進行性核上性麻痺に対する3系統神経伝達物質補充療法による運動および認知機能の改善』です。その論文は、私にメールをいただいたら、返信にPDFを添付します。私もとても嬉しかったです。)

(2017年9月に北海道難病連主催の医療講演があり、担当されたS医師から治験や三剤療法を含む配布資料が配られました。それを了承を得ましてアップしました。詳しくは私のブログ記事をお読みください。ここをクリックしてください。)

 診断名のことですが最初「パーキンソン病関連疾患」で今は「進行性核上性麻痺」です。この診断名は今ではもう確実と思っています。特に下の方が見えなくて進行性核上性麻痺にしかない特徴だと思うので「レビー小体型認知症に近い進行性核上性麻痺」というのが、そうかな?と思っています。幻視も少しありました(DLB)。アリセプトには過敏でした(DLB)。2014年5月のMRIの画像で進行性核上性麻痺の特徴である「ハミングバードサイン」は確認できました。あと、左右差が少しあります。右手右足の動きが、左より少し悪いです。からだの傾きは、左に傾くことが多いです(DLB)。
 
 夫は典型的だとされる病気の症状にすっかり当てはまることがないため、今までも診断が非常に難しいとされていました。でも、生活する上に困難なことがでてくるので、それらの改善をして欲しいと思い、一生懸命通院しました。H医師も症状を聞いてくれ、そのことに対する見解を話してくれ、薬もその時その時で、微妙に変えてくれました。

 典型的な進行性核上性麻痺の症状を比較として書きます。
 「脳の特定の部位 (基底核、脳幹、小脳) の神経細胞が減少し、転びやすい、下の方が見にくい、認知症、しゃべりにくい、飲み込みにくいといった症候が出現する疾患です。発病時には、パーキンソン病とよく似た動作緩慢や歩行障害などを示すために区別がつきにくいことがあります。」
 もっと詳しくは、難病情報センターのパーキンソン病関連疾患(1)進行性核上性麻痺「一般利用者向け」と、「医療従事者向け」をお読み下さい。
 また進行性核上性麻痺は指定難病となっていて、特定医療費(指定難病)受給者証が受けられ、医療費も助成になります。ここのページの「医療費助成について」に載っています。それから、このページに載っていますが、特定疾患受給者証があると訪問看護ステーションからの訪問看護も受けられます。
 公費のことが出たのでもう少し。パーキンソン症状で身体障害者手帳、認知の方でも精神障害者保健福祉手帳や、障害者年金が適用になることがありますので、病院の先生、ソーシャルワーカーさん、自治体の福祉課等ご相談下さい。介護保険の適用は、65歳未満の若年期認知症や特定疾患の方でもなります。
 夫は若年性ですが通院時代、介護保険を利用し、ディサービスに週二回行っていました。特定疾患医療受給者証で、訪問看護を週二回お願いしていました。

 「進行性核上性麻痺」で神経内科で受診すると、「治療法もないし、薬もない」というのが現状のようです。なぜそう言われるかというと、「この病気にはこの薬が有効」という指標があるらしく、それ以外を使用すると、問題になるようなのです。ですので、進行性核上性麻痺に有効な薬がないとされている現在、薬を処方したら病院側にとってリスクが生じてくる場合があるようです。「この病気にはこの薬が有効」と正式になるには、製薬会社の努力によるものもあるのかな?と思うのですが、進行性核上性麻痺は患者数が少ないので、なかなか注目してもらえないのでしょうか。どの病気でも同じ命のことですので、救って欲しいと思います。
 そして、このままでは進行性核上性麻痺の治療は進みません。リスクが生じることも覚悟で患者家族のために頑張っているお医者さんたちがいます。三剤療法の先生もそうだし、コウノメソッドを実践して下さっているお医者さんたちもそうです。ほかにも頑張っているお医者さんたちもいることと思います。

 今夫は、平成17年に発症してから今年(2014年)で9年目になります。三剤療法をベースに、コウノメソッドを組み合わせた治療をしていて、大きな波や小さな波がたくさんありますが、今現在自分の足で歩けるし、口からご飯食べられるし、会話も多少できる時もあるし、笑顔も見られる時もあります。たまに車イスでお出かけもします。ただやっぱり毎年進行しています。これは悲しい現実です。
 三剤療法もコウノメソッドも症状を遅らせたり、薬で調整したりしてくれるのですが、病気そのものを治すものではありません。それでも、飲み込みが良くなったとか、足元がしっかりしてきたとか、少しでも良くなったら、患者家族は飛び上がるくらい嬉しいです。

 コウノメソッドの先生は、全国にいます。私は、可能なら一度名古屋の河野先生の受診をされて、それから通えるコウノメソッドの先生を紹介していただいたらいいのでは?と思うのですが。今まで通っているコウノメソッドじゃない病院に再び通う場合も考え、今受診している先生にはセカンドオピニオンを受けたいを伝え、紹介状をいただいた方がいいと思います。
 名古屋のフォレストクリニックの「ホームページはこちらです」
 また全国の「コウノメソッドの先生はこちらです」

 あと、患者家族は常に大きな不安と恐怖の隣りにいます。それを共感できるのではやはり、患者家族同士です。
 全国進行性核上性麻痺の患者家族会「PSPのぞみの会」のホームページは、こちらです。ほぼ毎日届くメーリングリストでは、情報交換等行なっています。様々な知識をお持ちの方がいらっしゃいます。

 三剤療法とは→H医師のメールより「進行性核上性麻痺では身体症状(姿勢障害・眼球運動障害・頚部体幹の固縮など)と認知症状(判断力など高次機能は保たれているのに活性化が遅いタ イプ)が特徴的です。病変の首座は脳幹から大脳基底核にあり、ドパミン・ノルアドレナリン・アセチルコリン・セロトニンなどの神経伝達物質を放出する長距 離投射ニューロンの機能低下があることは基礎的な研究から明らかです。PSPを早期に診断し、早期に3系統神経伝達物質補充療法に入れれば、脳の機能をある程度の期間保持することは可能ではないかと考えています。

また、3系統の神経伝達物質を補充してすぐに良くなるものでもなく、安定し た効果が感じられるのには、最短でも2週間、通常1-2ヶ月かかるのも この治療法の特徴と考えています。ドパミン・ノルアドレナリン・アセチルコリンがバランスよく補充されてから、神経細胞同士の連絡がゆっくり改善して行くのではないかと思います。難しい言葉で神経の可塑性(かそせい)と呼ばれる現象です。

これまで治療法がないといわれてきましたが、これまでに行われた治験はすべてといって良いくらい単剤での治験でした。製薬会社主導で行われる治験 は、どうしても自社の薬剤に限られるからではないかと思います。他社の製品を販売促進するようなことは、会社ではできないのではないでしょうか。それが多 剤併用療法が行われなかった理由ではないかと考えています」


 上に書きましたが、2015年、H医師らの論文『進行性核上性麻痺に対する3系統神経伝達物質補充療法による運動および認知機能の改善』が「日本早期認知症学会誌Vol.8 No1 2015」に掲載されました。

 コウノメソッドとは→「コウノメソッドとは治療優先主義です。治療の方向性が変わらないなら、鑑別診断に時間や医療費を使うべきではない。臨床医は病理学の奴隷ではない。治療方針を惑わすような病名なら放棄すべき。治療の方向性に直結するような患者分類こそが現場が必要とする実用的な診断である。ということです」(ドクターコウノの認知症ブログ:介護通信2014年6月30日号より)
 患者家族が「おかしい」を訴えて病院にかかったら、どこがおかしいのか話を聞いてくれ、それに対しての治療をしてくれるということです。治療のためなら、あきらめないで効くという色々な方法も試してくれます。アリセプト少量投与、サプリメント推奨、グルタチオン点滴療法などです。そういうのは今までの医学会(?)のしきたりとかも飛び越えてしまっているので(?)、コウノメソッドを名乗るお医者さんたちが煙たがられている現場もあるようです。しかし、「認知症治療研究会」というコウノメソッドの先生方も交えた団体を、平成26年に設立、今後発言力もますます強くなっていっていくのでしょう。期待しています。

 「おかしい」と訴えて病院にかかったら、どこがおかしいのか聞いてくれ、それに対しての治療をしてくれる先生を患者家族は求めています。
 「治療法も薬もない」と言われる患者家族の辛い気持ちを考えて欲しいです。

 次回は「フェルラ酸含有サプリメント(フェルガード)の感想」と、「グルタチオン点滴療法の感想」を書きたいと思います。



「進行性核上性麻痺の夫、佐藤リュウとアリセプト。その2」 - 2014.09.28アップ

「進行性核上性麻痺の夫佐藤リュウとフェルラ酸含有サプリメント(AMN176、フェルガード) その3」。 - 2014.10.21アップ

「進行性核上性麻痺の夫佐藤リュウとグルタチオン点滴療法。その4」 2014.10.26アップ

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Author:vanilla
「やさしいまなざし」は「Vanilla Web Site」の日記の部分です。

登場人物(平成28年11月現在)
 
佐藤リュウ(59歳)←夫
佐藤バニラ(永遠の20歳)←私
佐藤イブキ(社会人)←長男
佐藤ワタル(福祉施設通所)←次男

 夫佐藤リュウは、平成17年頃(48歳)より、物が二重に見える、手に力が入らない、全身が重苦しく感じる症状があり、会社勤務ができなくなりました。
 若年性のパーキンソン病の疑いとのことで、平成18年(49歳)より神経内科に通院し、平成19年にはパーキンソン病関連疾患と診断名が付きました。
 その後、平成22年 (52歳)、診断名が若年性の「進行性核上性麻痺」に変わりました。
 ずっと自宅より通院していましたが、平成24年4月に自宅外で転倒骨折し、手術入院となってしまいました。入院時、誤嚥性と思われる肺炎も併発していて、現在も入院中です。平成26年11月19日に胃瘻造設しました。
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