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2020-02

進行性核上性麻痺の夫、佐藤リュウとアリセプト。その2 - 2014.09.28 Sun

 前回「夫、佐藤リュウの進行性核上性麻痺の発症と治療の流れと福祉制度。その1。」からの続きになります。次はフェルガードとグルタチオン点滴で感じたことだったのですが、その前に認知症の薬アリセプトのことを書きたいと思います。

 夫は最初パーキンソン病の疑い、次にパーキンソン症候群という病名で、私は身体症状だけだと思っていました(*日本神経学会によるパーキンソン病治療ガイドラインでも認知障害が加えられたのは2011年-平成23年)。
 夫の身体症状は平成17年(2005年)頃から、全身が重たく感じる、疲れやすい、目が見えづらい、指が動きづらくて細かい作業ができない、手に力が入らないし目も見えづらいので小さいし筆圧も弱くミミズがはったような字になる、まっすぐ下ろすことができなくて印鑑が押せない、質問の答がなかなか出てこない、ほぼ一日中眠気がある、手を前方に固定して軽く曲げた状態で前傾師姿勢で手を降らないで歩く(前傾姿勢-夫は最初からこの姿勢)、手足、首のまわりの筋肉が硬くなる、左右差はほとんどないが右手右足が左に比べて動きが悪い、横を向くとき首だけでなく体全体を横に向ける、便秘体質ではなかったのに頑固な便秘になる、叫び声に近い寝言を言うなどです。ほかにもやる気が起きない、元気がないというのがありましたが、認知症状ではありませんでした。
 
 でも平成19年(2007年)の寒くなってきた頃、毎年着ていたダウンジャケットのファスナーが閉められません。ファスナーが上下に二個付いているものだったのですが、どうやればいいのかわからないのです。そのとき初めてこれは認知症状?と私は思いびっくりしました。身体症状だけだと思っていたのに、認知症状もあらわれたと思った時はまた違った衝撃を受けました。
 夫は自分のことがわからなくなるのでは?私のこともわからなくなるのでは?子どもたちのこともわからなくなるのでは?こういう思いは恐怖です(後にわかったのですが進行性核上性麻痺はそういう認知症状にはならないよう)。
 そこで初めてインターネットで夫の病気のことを調べました。それまでは、先生にお任せした方がいいと、変な知識はいらないと思っていたのです。でも急に目の前で見た夫の症状にあまりの動揺に調べざると得ませんでした。
 すると、色々な症状がパーキンソン症候群の「レビー小体型認知症」に当てはまりました。もっと見ていると河野先生のブログにたどり着き、認知症状を遅らせるアリセプトという薬は、「レビーには少量投与」で、ということも書かれていました。

 夫は、パーキンソン症状の薬しか飲んでいないけど(*最初は二剤療法-H医師による)、今度、認知症状を遅らせる薬アリセプトを飲むかもしれない、でも「アリセプトの少量投与」は、コウノメソッドの先生しかやっていない、と思っていたとき、河野先生が札幌に講演に来たのです。

 私は夫を誘い、河野先生の講演を聞きに行きました。講演が終わって先生にお会いしたら(事前に約束をし)、札幌の非公開のコウノメソッドのX医師を紹介してくれました。ありがとうございました。そしてセカンドオピニオンとしてX医師に受診することになったのです。

 X医師は、「レピーにはアリセプトは一錠では多いです。四分の一錠でも多いかもしれない、なめるくらいがちょうどいいかもしれません」と言いました。それは本当でした。アリセプトは夫には、X医師が指示した四分の一錠でも多くて、本人は動きが止まってしまい、ご飯も食べられません(*夫はレビーの様な進行性核上性麻痺。X医師、札幌医大のセカンドオピニオンの後、それまで通っていたS病院のH医師に継続通院)。

 その後、アリセプトを砕いて、なめるくらいにしても、夫は「だるい、動けない」というようなことを言いました。でも私の最初の動揺があり、何とか認知症状がこれ以上進まないようにと、錠剤を砕いて耳かき一杯を飲んでもらったりしていました。
 それでも夫は、「あの薬混ぜたでしょ?だるい、具合悪い」と気付いて言い、そう言う時は、アリセプトを何日か止めました。それで、耳かき一杯を月曜日、水曜日、金曜日で土日はお休み、とかしていました。でも夫のからだの中でたまってくる感じでそれでもだるいと言い、また何日か休んだりしていました。効きすぎるのです。
 これはすべて主治医のH医師に伝えていました。

 そう言えば、他のパーキンソンの薬も副作用の眠気で効きすぎる傾向にありました。夕食時眠たくなるので食後に飲んでもらおうとすると、「見たいテレビがあるから眠たくなるからテレビの後がいい」と言われたこともありました。パーキンソンの運動症状にはすごく良く効くという感じはありませんが(*目に見えた劇的効果はなく長い目で見ると効いている感じ)、パーキンソン病の薬の副作用の眠気とアリセプトの副作用のだるさ具合悪さが敏感にあらわれると思いました。
 レビーの症状に「一日中眠たい」「無気力・無関心・感情の鈍麻」(*アパシー)というのもあり、夫もこういう感じだったので、何とか生きる活力を獲得して楽しく過ごして欲しいとのことでも、アリセプトを地道に続けていました。

 それでも認知症状は少しずつ進行しました。服を着るとき、どこからどう首や手や足を入れていいのかわからなくなってきました。後ろ前に着たり、ズポンの一つの足に両足を入れようとしたり。ある日は、上衣を首にマフラーのように巻いていました。電気のスイッチもどのスイッチを押せば、どの電気がつくのかわかりません。一つのことをやってもらおうと伝えるとできるのですが、三つのことをやってもらおうと伝えるとできません。そういうのを目の当たりにすると、効く薬があったら飲んでもらいたいと家族は思うのが自然です。

 アリセプトという薬ですが、1999年(平成11年)に日本で認可された薬です。それまでは認知症の薬はなく、みなさんが待ち望んでいたものです。夫が認知症状が出たのが平成19年(2007年)、認知症の薬はアリセプトしかありませんでした。(アリセプトはアルツハイマー型認知症の薬です)
 その後2011年(平成23年)に、レミニール、イクセロン(リバスタッチ)、メマリーの3種類の認知症の薬が日本で認可されました。夫は平成20年(2008年)からアリセプトを飲むようになりました。アリセプトと相性が今ひとつだと思っていた私は、他のに変えてもらいたかったのですが、夫の場合認知症の薬の与える影響がありすぎるように思えて、他の薬に変えるには夫は入院が必要になるかもしれないと思っていました。夫は入院するとなると、本人がどうなるかわかりません。今まで経験したことがないのです。それに家族の一員として、家事子育てで夫ができることをしていたので(茶碗を洗ったり)、夫がいなくなると家族としてもバランスも崩れてしまいます。それで躊躇していました。(でも現実的に佐藤家は平成17年に夫が仕事ができなくなってから家族としての機能はほとんど働いていませんでした。そのことを書いたものは、「専門家の戸惑いと涙(バニラ家の場合)」になります、ご一読を)。
 結局アリセプトは最終的に5ミリまで増量しました。

 そんな時、平成24年(2012年)の4月に自宅外で転倒骨折してしまい、A整形外科へ入院、右の股関節を人工股関節にする手術をした後、S病院へ転院となってしまいました。ところがある日夫の様子が変で、認知症の薬をどうにかした症状だと気がつき、そのことをノートに書くと、H医師が「レミニールに変更しました」とお返事を書いて下さり、「よかった」と思いました。この「認知症の薬をどうにかした症状」というのは、あくまでも私のイメージですが、冷たい水の中から出てきて体がこわばり、両手をぐぅにして体の前に持って行き、肘は曲げ、全身が小刻みに震える感じです。目に見えてはっきりわかる感じでもないかと思います。このイメージは、認知症を改善させる薬やサプリメントでも、効きすぎの時にあらわれました。

 レミニールに変更してみて、気付いたことがありました。呼吸が苦しいという症状がなくなったこと、よだれがなくなったこと、自分が思っていない手の動きがなくなったこと(*不随意運動)、立ち上がったときのめまいがなくなったことです。特に「呼吸が苦しいという症状がなくなったこと」はすごくよかったです。夫はいつからか眠っている時に呼吸が苦しくて眠ることが出来ないと悩むようになりました。私もそのことに気がつくと、ディサービスGのYさんの教えていただいたマッサージをしました。H医師にも伝えると、温かくする湿布をすぐに処方してくださいました。訪問看護師さんもホットパック(*タオルをお湯等で温めたものをビニール袋に入れてそれを肺の呼吸をつかさどる筋肉にあてる)をして下さり、私もそれを実行しました。その呼吸が苦しいという時間帯は夜中から朝方までです。夜中は何ともなくても私が朝起きてみると夫は呼吸が苦しいと私に訴える時があり、私もその対処のため、会社に電話をして一時間遅れて出社をしていました。だいたいその間に夫の呼吸も落ち着き、その後夫はディサービスに行ったり、私は9時出社というのをしていました。
 呼吸が辛そう、というのは見ている方も本当に大変です。

 今現在(*2014年)は、入院中のM病院にコウノメソッドのT先生が2014年4月に突然登場したので、5月からイクセロン(リバスタッチ)になりました。今は9ミリです。レミニールからイクセロン(リバスタッチ)に変えたことの変化はよくわかりません。同時にグルタチオン点滴が始まったからです。
 
 長谷川式スケールは、2012年7月は18点(4月にアリセプトからレミニールに切り替え)、2013年8月は19点(レミニール+フェルガードLA)です。今年はやっていませんが、言葉が不明瞭の状態が進んでいて、率直に言うとテストできるかなぁ?という風に思っています。

 色々ありましたし、これからも色々ありますが、次男ワタルが障がいを持って生まれてくれたお陰で「治らない病気は障がいと考え、その時の状態が普通の状態」と考えています。そのため、その時間その瞬間を悲しいと思うのは本人はもちろん私も損であり、本人の状態をよく観察して、必要な援助はしたり、必要じゃない援助はしないで、その上その時を大切に過ごしています。

 次はフェルガード(*フェルラ酸含有サプリメント)の感想ですが、なかなか時間が持てなくてアップできませんが、時間でき次第書きたいと思います。


参考文献:小坂憲司著「第二の認知症-増えるレビー小体型認知症の今」(紀伊国屋書店)

「進行性核上性麻痺の夫佐藤リュウとフェルラ酸含有サプリメント(AMN176、フェルガード) その3」。 - 2014.10.21アップ


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プロフィール

vanilla

Author:vanilla
「やさしいまなざし」は「Vanilla Web Site」の日記の部分です。

登場人物(平成28年11月現在)
 
佐藤リュウ(59歳)←夫
佐藤バニラ(永遠の20歳)←私
佐藤イブキ(社会人)←長男
佐藤ワタル(福祉施設通所)←次男

 夫佐藤リュウは、平成17年頃(48歳)より、物が二重に見える、手に力が入らない、全身が重苦しく感じる症状があり、会社勤務ができなくなりました。
 若年性のパーキンソン病の疑いとのことで、平成18年(49歳)より神経内科に通院し、平成19年にはパーキンソン病関連疾患と診断名が付きました。
 その後、平成22年 (52歳)、診断名が若年性の「進行性核上性麻痺」に変わりました。
 ずっと自宅より通院していましたが、平成24年4月に自宅外で転倒骨折し、手術入院となってしまいました。入院時、誤嚥性と思われる肺炎も併発していて、現在も入院中です。平成26年11月19日に胃瘻造設しました。
 夫が仕事ができなくなった平成17年時、上の子が小学校6年生、下の子が小学校2年生(多動と自閉で特別支援学級在籍)でした。
 私は、平成19年より、平日フルタイムで仕事しています。たくさんの方のお力をお借りし、生活しています。
 北海道在住です。

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