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2020-04

PSPの三剤療法(神経伝達物質補充療法)は病型をみきわめて行う必要があるーH医師のメール抜粋 - 2015.06.17 Wed

 PSPは何種類かのタイプがあって、三剤療法もそのすべてにまったく同じ薬の種類や量ではないようです。H先生のメールを抜粋します。経過・症状・診察所見・MRIや脳血流シンチなどから推測して診断していて、その処方も慎重にされています。Richardson症候群タイプ(PSP-RS)の患者様には、初期から3剤療法を行うほうが良いことは先生のなかでは確立しています。

【2015年5月11日のメールより抜粋】
Richardson症候群タイプ(PSP-RS)というのが典型的で、日本早期認知症学会誌の投稿論文の患者さまも全員このタイプです。PSP-RSに初期から3剤療法を行うほうが良いことは私のなかでは確立しています。

パーキンソンタイプ(PSP-P)は、ある程度経過したあとから振り返ってみると、診断できることが多いタイプです。認知症状もほとんどの場合、検出できません。臨床症状は振戦がでたりもしますし、はじめはパーキンソン病と見分けがつかないことが多いです。私の中で、PSP-Pの患者様に3剤療法がはじめから良いかどうかまだ確立していません。

すくみ足のみの純粋無動症(PSP-PAGF)というタイプもあり、PSPの臨床病型はかなり広いものです。PSP-PAGFの患者さまでは、ドプス単独治療で、何年もよい状態を保てる場合もあります。

脳の神経細胞障害の分布や程度により、病型の違いが生じると考えられ、神経伝達物質補充療法も病型をみきわめて行う必要があるでしょう。


【2015年5月21日のメールより抜粋】
また、進行性核上性麻痺はサブタイプがさまざまあります。だんだん増えて今は7型はあると考えてよろしいと思います。典型的なのがPSP-RS(リチャードソン症候群タイプ)、患者さまの数が多いと思われるのがPSP-P(パーキンソンタイプ)、軽症なのがPSP-PAGF(純粋無動症タイプ)、日本からの報告が多いPSP-C(小脳症状主体のタイプ)、私は経験したことがないのですが進行性失語症を呈するタイプ(PSP-PNFA)、前頭側頭葉型認知症を呈するタイプ(PSP-FTD)、失行症状など皮質基底核変性症候群の病像を呈するタイプ(PSP-CBS)が知られています。皮質基底核変性症候群(CBS)は診断の難しい神経変性疾患ですが、CBSには進行性核上性麻痺症候群タイプという亜型(CBS-PSPS)があり、生前には区別が難しいです。(PSPの確定診断は本来は病理学的になされるべきものです。患者様が亡くなって、脳を切片にして染色して顕微鏡で調べないとわからないということです。上記の7型も病理学的にPSPとわかってから、生前の症状をさかのぼって調べて確立してきたことです。)

もちろん医者としては、病理を見て診断するのではまったくの手遅れということになりますので、経過・症状・診察所見・MRIや脳血流シンチなどから推測して診断するわけです。毎日のことですが難しいです。これだけPSPがサブタイプにわかれているのは、同じ病気であっても、一人ひとり、脳病変の分布や変性の程度が異なっているからなのでしょう。ですから治療も、出来合いの吊るしの洋服を適当に買って着るというわけには行かず、採寸したり仮縫いしたりして作り上げる仕立て屋さんの洋服のようになります。カウンターですぐ差し出されるハンバーガーではなく、懐石料理のコースのようといったらよいでしょうか。あんまり短絡的に考えていただいても困るといいますか、進行性核上性麻痺という病気の性質からそう簡単にはいかないものです。



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Author:vanilla
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登場人物(平成28年11月現在)
 
佐藤リュウ(59歳)←夫
佐藤バニラ(永遠の20歳)←私
佐藤イブキ(社会人)←長男
佐藤ワタル(福祉施設通所)←次男

 夫佐藤リュウは、平成17年頃(48歳)より、物が二重に見える、手に力が入らない、全身が重苦しく感じる症状があり、会社勤務ができなくなりました。
 若年性のパーキンソン病の疑いとのことで、平成18年(49歳)より神経内科に通院し、平成19年にはパーキンソン病関連疾患と診断名が付きました。
 その後、平成22年 (52歳)、診断名が若年性の「進行性核上性麻痺」に変わりました。
 ずっと自宅より通院していましたが、平成24年4月に自宅外で転倒骨折し、手術入院となってしまいました。入院時、誤嚥性と思われる肺炎も併発していて、現在も入院中です。平成26年11月19日に胃瘻造設しました。
 夫が仕事ができなくなった平成17年時、上の子が小学校6年生、下の子が小学校2年生(多動と自閉で特別支援学級在籍)でした。
 私は、平成19年より、平日フルタイムで仕事しています。たくさんの方のお力をお借りし、生活しています。
 北海道在住です。

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